※本記事の情報は特筆がない限り、2023年1月の執筆時点のものです。最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。
スキャルピングとはFXにおけるトレード手法の一つ。
短時間で何度も取引を繰り返し、細かい利益を積み重ねる方法です。
取引回数の多さからスプレッドによるコストがネックであり、瞬時の判断力も必要なので、敬遠するトレーダーもいるでしょう。
しかしそれらのネックも、スキャルピングに適したFX会社を選び、基本を抑えれば初心者でも問題ありません。
そこで今回は「スキャルピングとは?」といった基礎的な部分から、勝率を上げるポイントまで徹底解説。
そして先にネタバラシすると、スキャルピングに適したおすすめFX会社は以下の5社となります。
通貨ペア数 | 34ペア | 20ペア | 20ペア | 23ペア | 29ペア |
最小取引単位 | 1通貨 | 1,000通貨 ※南アフリカランド/円 メキシコペソ/円は10,000通貨単位 |
1通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
スプレッド | 米ドル/円:0.18銭 ポンド/円:0.88銭 ユーロ/円:0.48銭 ※注文数量1~1,000,000 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:0.9銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2~0.9銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:1.1銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.3銭 ポンド/円:0.5銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.4銭 ポンド/円:0.8銭 原則固定(例外あり) |
公式サイト | |||||
※注意事項 | 本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 |
---|
★上記テーブルは左右に動かせます。
例として1つ抜粋すると、スキャルピング手法をするならSBI FXをお勧めします。
理由は米ドル/円で0.09円と業界最狭水準という、スプレッドの狭さから。
スプレッド幅の狭いSBI FXなら、スキャルピング手法の取引コストも最小限に抑えられるでしょう。
またクイック注文を搭載しているのも、スキャルピング手法に適している要素の一つ。
瞬時の判断が問われるスキャルピングにおいて、機会を逃さず取引できます。
その他のFX会社については、後述で詳しく解説しているので、ぜひ最後までご参考ください。
出典:SBI FXトレード
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★他にも多くの候補から検討したい方に向け、下記では「おすすめFX口座」を10社紹介しています。
あらゆる面で万能なFX口座を集めていますので、当記事以外にも参考にしたい場合はご参考ください。
FXのスキャルピング手法とは?
冒頭でもお話したとおり、スキャルピングとはFXにおけるトレード手法の1つです。
FXには一般的に下記4つのトレード手法が存在します。
取引期間 | 利幅 | トレードの特徴 | |
---|---|---|---|
スキャルピング | 数秒〜数分 | ~10pips | 小さい利益を積み重ね、最終的に大きな利益を獲得 |
デイトレード | 数十分〜1日 | 10~100pips | 1トレード利益は比較的大きく、日跨ぎのリスクもない |
スイングトレード | 2,3日〜数週間 | 500~1,000pips | 相場を常に確認する必要もなく、兼業で取引できる |
ポジショントレード | 数週〜数年 | 100~500pips | 取引機会は少ないが、一度の獲得利益は大きくなる |
このように取引期間や特徴など、FXはトレード手法によって特徴は様々。
続いては他の手法と比較しながら、FXのスキャルピング手法の特徴について解説します。
スキャルピング手法の特徴
他FXトレード手法と違いスキャルピング手法には、以下のような特徴があります。
- 利益の確定が早い
- 利益と損失の額が小さい
まずスキャルピングと他手法の違いとして挙がるのは、利益確定の早さです。
他手法が利益獲得まで数十分~最長で数年までかかるのに対し、スキャルピングは数秒単位で利益が確定。
そのため資金効率が良く、FX取引がうまく成功すればトントン拍子で口座が潤っていきます。
また利益額と損失額の小ささも、スキャルピングならではの特徴と言えるでしょう。
例としてスキャルピングと他手法での、ドル/円の取引1回あたりの利益額を比較シミュレーションしてみました。
- 取引通貨量:1,000通貨
- 10pips:0.1円
取引通貨量 | 利幅 | 1取引の利益 | |
---|---|---|---|
スキャルピング | 1,000通貨 | 10pips | 100円 |
デイトレード | 1,000通貨 | 20pips | 200円 |
スイングトレード | 1,000通貨 | 500pips | 5,000円 |
ポジショントレード | 1,000通貨 | 100pips | 1,000円 |
このとおりスキャルピングは10pipsでも利幅があれば約定していくので、取引1回あたりの利益は他トレードより少なめ。
市場の流れを読み、小さい利益を積み重ねていくのがスキャルピングの魅力です。
pipsとは各通貨の単位を統一させる通貨の共通単位。
通貨の単位を「pips」で共通にすることで、異なる通貨での変動レートの認識を統一しているわけです。
1pipsがいくらを表すかは通貨ペアによって異なりますが、メジャーなドル/円等だと1pips=0.01円となります。
FXのスキャルピング手法の具体的なやり方
続いてFXのスキャルピング手法の、具体的なやり方を紹介します。
上記のやり方について、詳しく見ていきましょう。
トレンドに沿って順張り
FXのスキャルピング手法では基本的に、順張りで取引することをおすすめします。
「順張り」とは相場の流れ(トレンド)に沿って、取引を行う方法のことです。
- 相場が上がり傾向:買いエントリー・売り決済
- 相場が下がり傾向:売りエントリー・買い決済
FXではトレンドが発生すると暫く傾向が続きやすくなり、方向に合わせて売買するだけで利益を得やすくなります。
相場が上がり傾向なら買い、下がり傾向なら売るの意識を持ってみてください。
慣れないうちは流れに逆らない順張りで、確実に利益を獲得していきましょう。
レンジ相場での順張り
レンジ相場に入ったら逆張りで取引してみましょう。
FX取引におけるレンジ相場とは、一定の値幅(レンジ)をキープして価格が推移している相場のことです。
レンジ上限へ相場が動くと上値が重くなり、レンジの下限へ相場が動くと底が硬くなりやすい傾向があります。
- 相場が上がり傾向:売りエントリー・買い決済
- 相場が下がり傾向:買いエントリー・売り決済
即ち相場の動きが停滞したら、流れに逆らって売買するということ。
一定の値幅で上下運動を繰り返すレンジ相場に対し、安価買いと高値売りを何度も繰り返します。
このやり方はレンジ相場が続く限り利益を獲得できるので、短時間で売買を重ねるスキャルピング手法におすすめです。
レンジ相場が抜けた時はすぐに損切りをして、損失額を抑えていきましょう。
レンジブレイクしたら順張り
レンジ相場が抜けたら順張りに切り替えていきましょう。
一定の値幅をキープしていた相場が上端や下端を突き破り、価格が大きく伸びることを「レンジブレイク」と呼びます。
レンジ相場は基本的にいつまでも続くものではありません。
最終的には上下どちらかへ価格が突き抜け、スキャルピングタイムも終了します。
レンジ相場中のまま逆張りで取引を続けると、損失リスクが高まるので従来に順張りに戻すことがおすすめです。
レンジブレイク直後のやり方としては、レンジの少し上の時に買いエントリーを。
少し下の時は売りエントリーをしてみてください。
ペナント傾向で順張り
ペナントのブレイクを利用した順張りも、スキャルピング手法のやり方としておすすめです。
相場が大きな変動をした後、少しの間停滞した動きを保つ期間があり、その後に以前と同じ方向へ再び動き出すこと。
例:大きく下降 → 少しの間停滞 → 再び大きく下降。
相場が大きく動いて、多少停滞しているようなら順張りのチャンス。
先ほどまでの方向と同じ方向へ、再び大きく動く可能性があります。
FXのスキャルピング手法で利益を出すコツ
なぜスキャルピングで勝てないのか?とお悩みの方もいるでしょう。
FX取引でスキャルピングをトレードスタイルとするならば、下記7つのポイントを意識してみてください。
使用通貨や時間帯、分析の方法などを押さえてスキャルピングするか否かで、勝率は大きく変わってきます。
ここからは「FXのスキャルピングで勝てない..」という方に向けて上記ポイントを具体的に紹介していきます。
①メジャーな通貨ペアで取引する
スキャルピングで勝てない状況を脱するなら、まずメジャーな通貨を使うようにしてみましょう。
メジャーな通貨を選ぶ理由としては下記が挙げられます。
- 取引数量が多く変動性が高いため、相場のトレンドが読みやすい
- 相場の変動率が高く、短時間に稼ぐスキャルピングに適している
- 経済指標の発表が多く、相場が活発に動く
メジャーな通貨は比較的相場の変動が読みやすく取引しやすいのが利点です。
また1日の値幅も大きめなので、短時間に取引を集中させるスキャルピングとの相性も申し分ありません。
瞬時の判断力と慣れ・経験が必要なスキャルピングで勝つなら、まずはメジャーな通貨で勝ちを重ねていきましょう。
取引量の多いおすすめ通貨ペア!
取引量が多く、メジャーどころでおすすめな通貨ペアは主に以下。
- 米ドル/ユーロ
- 米ドル/円
- 米ドル/英ポンド
- 米ドル/豪ドル etc…
上記通貨はBIS(国際決済銀行)が3年ごとに発表する世界取引数量でも、多くのシェアを獲得しています。
2019年 | 取引量 | シェア(%) |
---|---|---|
米ドル/ユーロ | 1,584 | 24.0 |
米ドル/円 | 871 | 13.2 |
米ドル/英ポンド | 630 | 9.6 |
米ドル/豪ドル | 358 | 5.4 |
参照:BIS(国際決済銀行)
上記に記載のある通貨は、世界中で取引されているので市場も変動しやすく、スキャルピングにおすすめです。
スキャルピングは集中力を使うので、まずは慣れ親しんだ日本円とのペアを使ってみましょう。
②取引が活発な時間帯にスキャルピングする
レート変動が活発な時間帯に取引するのも、”勝てないスキャルピング”を卒業するポイント。
スキャルピングは短時間に何度も取引を行う手法なので、レートが活発に動く時間帯にこそ真価を発揮します。
先ほど紹介したメジャーな通貨を扱う国の、取引が活発化しやすいタイミングを日本時間でまとめてみました。
通貨ペア | 取引が活発な日本時間 |
---|---|
米ドル/円 | PM9:00~AM12:00 |
ユーロ/円 | PM5:00~PM7:00 |
豪ドル/円 | AM8:00~AM15:00 |
米ドル/円ペアで言うと、日本時間の21時からニューヨーク市場がオープンすることから、変動が起きやすいとされています。
21時以降なら社会人の副業トレーダーでも比較的ゆっくりできる時間帯なので、集中してスキャルピングができるでしょう。
③スプレッドが狭いFX会社を選ぶ
スキャルピングの勝率を上げるなら、スプレッド幅が狭いFX会社を選ぶのも重要です。
上述したとおりスプレッドは取引毎に発生するコストなので、スプレッドの狭いFX会社を選ぶだけでコスト削減ができます。
例として上述したメジャー通貨ペア「米ドル/円」での、各FX会社が設定しているスプレッド幅を記載してみました。
スプレッド | 米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.4銭 ポンド/円:0.9銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:0.9銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2~0.9銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:1.1銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.18銭 ポンド/円:0.88銭 ユーロ/円:0.48銭 ※注文数量1~1,000,000 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.3銭 ポンド/円:0.5銭 原則固定(例外あり) |
※注意事項 | 本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 |
---|
利益を得るだけでなく、損失を抑えるのもスキャルピングで勝つ重要なポイント。
FXでスキャルピング手法を自身のスタイルとするなら、FX会社のスプレッド幅も確認してみてください。
④順張りで取引をする
続いて解説するスキャルピングのコツは、順張りで取引をすること。
「順張り」とは相場の流れに沿って取引を行う方法のことです。
- 相場が上がり傾向:買いエントリー・売り決済
- 相場が下がり傾向:売りエントリー・買い決済
FXではトレンドが発生すると暫く傾向が続くことがあるので、方向に合わせて売買するだけで利益が生じます。
順張りではトレンドの見極めが重要になってくるので、各国の経済指標といった情報は細かくチェックするようにしましょう。
⑤損切りと利確の目安を守る
損切り・利確の目安に沿って取引をすることは、スキャルピングで勝つ上で特に重要なポイントです。
- 損切り:〇〇まで下がったら損失を確定させる
- 利確:〇〇まで儲けが出れば決済をする
どちらも「もう少し待てば…」といった感情との戦いなので、事前に設けた目安に沿って取引することがおすすめ。
事前に根拠のある目安を設けて徹底すれば、一時の感情に流されずに冷静な判断が下せます。
スキャルピングにおける利確・損切りの目安は、以下を参考にしてみてください。
損切り目安(pips) | 利確目安(pips) | |
---|---|---|
目安A | 4~5 | 8~10 |
目安B | 3~4 | 6~8 |
目安C | 2~3 | 4~6 |
基本的に損失と利益は「損失1:利益2」の割合が理想とされています。
理由としては損切りラインが利益ラインの半分と設定しておけば、勝率が50%でも利益を上げることができるから。
上記設定はあくまで例なので、勝率を分析したりデモトレードで試したりしつつ、自分にあった目安を設定しましょう。
目安に沿って取引するとどうなる?
例として上記の目安Aで20回トレード・勝率50%だった場合、1日の損益がどうなるかシミュレーションしてみました。
損切り幅:5pips | 利確幅:10pips | |
---|---|---|
損益pips | -50 (20回×5p×50%) | +100 (20回×10p×50%) |
合計 | 利益:50pips |
このように損切り5pipsで利確10pipsという、損失1:利益2に沿ってスキャルピングすれば、勝率が50%でも100pipsは獲得できます。
ただ当然ですが勝率やレートの変動次第で状況は変わるので、あくまで目安として参考にしてみてください。
⑥テクニカル分析を身につける
スキャルピングの勝率を上げるためにも、テクニカル分析のスキルは身につけましょう。
テクニカル分析とは過去のチャートの値動きを分析し、これから変動する相場を予測する分析のことです。
そしてテクニカル分析には大きく2種類あります。
インジゲーター(※) | 把握できる内容 | |
---|---|---|
トレンド系
テクニカル分析 |
|
|
オシレータ系
テクニカル分析 |
|
|
インジゲーターとはチャート上下部に表示されるサポートツール、つまり指標のようなもの。
そして上記インジゲーターのうち、スキャルピングでのテクニカル分析におすすめなのは以下5つです。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- RSI
- MACD(マックディー)
上記インジゲーターではトレンドや相場の買われ具合・売られ具合を把握できるので、数秒数分先の変動もある程度予測できます。
スキャルピングで取引を成功させるなら、テクニカル分析に基づいたロジカルなFXを心がけましょう。
おすすめインジゲーターについて詳しく!
上述したインジゲーターが、なぜスキャルピングでのテクニカル分析に有効なのか?
各インジゲーターの特徴を交えて解説します。
特徴 | 見方 | |
---|---|---|
移動平均線 | 過去変動の平均値が分かる | 短中長の3本線の傾きや位置関係から、相場のトレンドがわかる |
ボリンジャーバンド | トレンドの勢いが分かる | チャートが+3aに近いなら買われ傾向、-3aに近いなら売られ傾向 |
RSI | 相場の買われ具合・売られ具合が分かる | 0~100の間で変動し、30以下は売られすぎ、70以上は買われすぎを表す |
MACD | MACD線とシグナル線の2つからトレンド傾向が分かる | MACD線とシグナル線の傾きや位置関係からトレンドを表す |
上述したとおり上記インジゲーターはそれぞれ、過去のトレンドから予想される今後のトレンドや、値幅の状況を数値で把握できる指標。
短時間で何度も取引を行うスキャルピングにおいて、数秒数分後の未来を予想できるかどうかは、ダイレクトに収益へ関わります。
スキャルピングでテクニカル分析をする際は、上記インジゲーターを参考にしてみてください。
⑦日々の記録をつける
FXでの取引記録はログをつけておくことは、スキャルピングにおいて非常に重要です。
何故なら日々の取引を記録することで、振替相場の動きを把握できるから。
FXのトレード手法にスキャルピングを選ぶなら、下記に記載している項目はチェックしておくことをおすすめします。
- 日時
- 通貨ペア
- 取引数量(ロット)
- オーダー
- エントリーレート
- 決済レート
- その日の経済指標やニュース等
スキャルピングは秒単位で決済を繰り返す忙しいトレード手法。
秒単位で決済をするからこそ、細かい変化や傾向を掴むことは非常に重要です。
スキャルピングが利益を積み重ねるのと同じように、日々の記録もキレイに積み重ねて勝率を上げていきましょう。
手軽に取引の記録をつけるなら、FX記録専用ツールの活用がおすすめ。
最近ではスマホでFXを行う人も多いことから、アプリで日々の記録 & 分析ができるようになっています。
FXの記録アプリでおすすめなのがこちら。
- MetaTreder4
- FXトレード記録
- 収支表MAXBET
アプリならちょっとした休憩時間でも簡単に記録できるので、自分に合った方法でFXの記録をつけていきましょう。
FXにおけるスキャルピング手法のメリット
FXのトレード手法にスキャルピングを選ぶメリットは、以下3つあります。
低リスク・資金効率の良さ・翌日のレートを気にせずに済むといった点を加味すると、スキャルピングは初心者にも適した手法とも言えます。
ここからは具体的にそれぞれのメリットを見ていきましょう。
振替変動によるリスクが少ない
スキャルピングは数秒・数分で取引が終わるので、振替レート変動による損失リスクが少なく済みます。
振替変動リスクとは、レート変動によって資産価値が変動する可能性のこと。
投資した外貨建て資産の円価値が上がったり、下がったりすることを指します。
そもそもFXのレートは秒単位で目まぐるしく変化するもの。
少し目を離してた隙にレートが予想外な動きをして、損失が発生することは珍しくありません。
またポジションを長く保有していると資産価値の増減が気になり、メンタルを保つのも一苦労です。
その点テンポ良く取引を行うスキャルピングなら、大幅な振替変動が起きる前に決済をするので、精神的負担は少なく済みます。
すぐに利益が出せて稼ぎやすい
上述したとおりスキャルピングは1日に何度も取引を行うので、利益獲得が早く稼ぎやすい利点があります。
ではスキャルピング手法は、一体どれほど稼ぎやすいのでしょうか?
下記条件のもと、3日間スキャルピングとスイングトレードでそれぞれ取引してみました。
- 取引通貨量:1,000通貨(1回あたり)
- スキャルピングの取引総回数:100回
- スイングトレードの取引総回数:1回
- 10pips:0.1円
取引回数 | 取引1回の通貨量 | 取引1回の利幅 | 収益 | |
---|---|---|---|---|
スキャルピング | 100回 | 1,000通貨 | 10pips | 10,000円 |
スイングトレード | 1回 | 1,000通貨 | 500pips | 5,000円 |
スイングトレードがレートの変動を待っている間にも、スキャルピングは取引を完了させていくので、初日から利益を獲得できます。
加えて最終の3日目に、スイングトレードで500pipsの大型取引を一発決めても、スキャルピングで積み重ねた利益には届きません。
取引回数は多く感じますが、スキャルピングの取引は数秒~数十分で終わるので、サッと集中して取引したい方におすすめです。
その日のうちに取引が終わる
スキャルピングは翌日にポジションを持ち越さないので、マイナススワップによる損失が発生しません。
高金利通貨を低金利通貨へ取引し、決済をせず保有し続けた場合に発生する損失のこと。
日を跨いで通貨を持ち越す度に支払う必要があるので、長期売買では注視される存在です。
FXの取引市場は24時間動いており、深夜帯であってもお構いなしにレートは変動します。
マイナススワップが発生する状況にも関わらず、決済をし忘れて思わぬ損失が発生することもしばしば。
しかし数秒〜数分単位で取引を繰り返し、当日中に決済が完了するスキャルピングにおいて、マイナススワップは発生しません。
オーバーナイトの損失リスクを無視できるので、メリハリのつけられるFX手法と言えます。
FXにおけるスキャルピング手法のデメリット
FXでスキャルピング手法を選択するデメリットは、主に3つあります。
スキャルピング手法のデメリットを把握しておくことで、想定外のトラブルに見舞われることなくFX取引ができるでしょう。
ここからは上記それぞれのデメリットについて、具体的に解説します。
スプレッドのコストがかかりやすい
取引回数の多いスキャルピング手法は、他トレード手法よりスプレッドがかかりやすい特徴があります。
スプレッドとは買値と売値の差額のことで、FXの実質的な手数料です。
では”かかりやすい”と言いましたが、具体的にスキャルピング手法のFX取引コストが大体いくらなのか、他手法と比較してみましょう。
- 取引通貨量:1,000通貨(1回あたり)
- スキャルピングの取引総回数:100回
- スイングトレードの取引総回数:1回
- 10pips:0.002円(固定で想定)
取引回数 | 取引1回の通貨量 | スプレッド差 | 総コスト | |
---|---|---|---|---|
スキャルピング | 100回 | 1,000通貨 | 0.002円 | 200円 |
スイングトレード | 1回 | 1,000通貨 | 0.002円 | 2円 |
取引コストは「取引回数×通貨量×スプレッド」で算出できます。
FXは決済時のスプレッドがコストとして発生するため、取引回数の多いスキャルピングは取引回数分のコストが発生。
ただ上述したとおりスキャルピング手法は資金効率が良く、トータルの利益では他手法より稼ぐことは十分可能です。
スプレッドは必ず発生するものなので、トレードの際はコストが利益を上回らないよう注意しましょう。
瞬時の判断力が問われる
スキャルピング手法は秒〜分単位で取引を繰り返すため、瞬時の判断力が物を言う手法。
目まぐるしく変動するレートの中で、ベストタイミングな決済を繰り替えすのは、ある程度の慣れや経験が必要です。
上記のような不安を感じる方は、デモトレードで事前にFX取引を練習しておきましょう。
デモトレードとは仮の資金で本番チャートを見ながら、実際にFXを体験できるサービスです。
“口座に資金が入っている”テイでFX取引を行うので、損益は発生せず安心してFXを経験できます。
FX会社によってはスマホアプリでもデモトレードを無料で提供しているので、本番前に体験しておくのがおすすめです。
スキャルピング手法の判断力は取引回数を重ねるごとに培われていきます。
最初は少し難しいと感じるかもしれませんが、他手法をスタイルとするトレーダーより、成長速度は格段に早いと言えるでしょう。
通信環境に左右される場合がある
通信環境に取引が左右される可能性があることも、スキャルピング手法におけるデメリットの一つ。
一瞬のタイムラグが起きる間にレートが変動するので、スキャルピングをする際は周りの通信環境を整える必要があります。
スキャルピング手法の環境を整備する際は、以下2つを意識してみてください。
- 30Mbps以上の「回線速度」は確保する
- 常時一定以上の速度を保てる「安定性」は確保する
データの重さによって速度の目安は変わりますが、大体30Mbps以上あれば基本的に問題ないでしょう。
回線が安定しているかは、本番前に上述したデモトレードで試してみるのもおすすめです。
FXでのスキャルピング手法の注意点
FXのスキャルピングする上での注意点は以下2つ。
注意点を把握しておかなければ、思わぬトラブルに見舞われる場合もあります。
ここからはそれぞれの注意点について解説していきます。
スキャルピング可のFX会社を選ぶ
FXでスキャルピングを手法としたいなら、当然ですがスキャルピングが許可されているFX会社を選びましょう。
ほとんどのFX会社にてスキャルピングは許可されていますが、中には以下理由からスキャルピングをNGとしているFX会社もあります。
- FX会社側で決済の処理が追いつかない
- FX会社のカバー取引(※)に影響しかねない
まず大量に決済が行われると単純にサーバーへ負担がかかり、FX会社側の決済処理が間に合わないのが一点。
そして同じく決済量次第ではFX会社のカバー取引が間に合わず、FX会社側が損失を抱えるリスクがあるからです。
FXでスキャルピングを行うなら、FX会社への事前確認は忘れないようにしましょう。
カバー取引とはFX会社が損失を抱えないためのリスク回避のことです。
その仕組みは顧客の注文とは反対の注文を、FX会社が金融機関に対して行うというもの。
- 顧客:米ドル/円で1,000米ドル「買い」注文
- FX会社:米ドル/円で1,000米ドル「売り」注文
このように注文が入った段階で反対の注文を行えば、買い注文と同じだけ売り注文を引き受けたことになります。
よって振替レートがどう変動しても、FX会社は手数料以上の損失は負わずに済み、リスクを回避できるわけです。
約定力も確認しておく
FXでスキャルピングを手法とするなら、FX会社の約定力とスリッページも注意しておきたいところ。
- 約定力:注文レートどおりに約定(注文確定)する力の強さ
- スリッページ:注文レートと約定レートの差額
FXのレートは秒単位で変動するので、注文時のレートと約定時のレートがズレることは普通です。
そしてこの注文時と約定時の差額、つまりスリッページは、取引回数の多いスキャルピングにおいて大きな障害になりかねません。
例として米ドル/円で130.250の買い注文・130.350で約定をした際、スリッページが不利な方向に生じた場合の試算をしたので見てみましょう。
注文 | 約定 | 利幅 | |
---|---|---|---|
理想 | 130.250の買い | 130.350のまま約定 | 10pips |
スリッページ発生の場合 | 130.250の買い | 130.300に変動し約定 | 5pips |
注文時はレートが130.350だったのに、注文約定の間にレートが130.300に下がっていた関係で利幅が減少してしまいました。
たった1回ならまだしも、取引回数の多いスキャルピング何度も利幅が変わると、トータルの利益に大きく響きます。
理想とおり売買を進めるために、この後紹介しているおすすめFX会社を参考にしてみてください。
スキャルピング手法でおすすめなFX会社
ここまでの内容を加味して、スキャルピング手法でおすすめなFX会社を5社紹介します。
通貨ペア数 | 34ペア | 20ペア | 20ペア | 23ペア | 29ペア |
最小取引単位 | 1通貨 | 1,000通貨 ※南アフリカランド/円 メキシコペソ/円は10,000通貨単位 |
1通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
スプレッド | 米ドル/円:0.18銭 ポンド/円:0.88銭 ユーロ/円:0.48銭 ※注文数量1~1,000,000 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:0.9銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2~0.9銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:1.1銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.3銭 ポンド/円:0.5銭 原則固定(例外あり) |
米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.4銭 ポンド/円:0.8銭 原則固定(例外あり) |
公式サイト | |||||
※注意事項 | 本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 |
---|
★上記テーブルは左右に動かせます。
本気でスキャルピングを成功させたいなら、FX会社選びから入念に進めていくべき。
ここからは各FX会社のどういった点がスキャルピングに適しているのか、具体的に解説していきます。
SBI FXトレード
出典:SBI FXトレード
通貨ペア数 | 34ペア |
最小取引単位 | 1通貨 |
スプレッド | 米ドル/円:0.18銭 ポンド/円:0.88銭 ユーロ/円:0.48銭 ※注文数量1~1,000,000 原則固定(例外あり) |
買いスワップ | トルコリラ/円:15円 メキシコペソ/円:18円 南アランド/円:12円 |
売りスワップ | ユーロ/米ドル:82円 ポンド/米ドル:25円 ユーロ/ポンド:52円 |
※注意事項 | ※本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 ※本データは2023.2/20確認時点での最新情報を参照しております。 |
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FXのスキャルピングにおすすめFX会社は、SBI FXになります。
SBI FXトレードのスプレッドは米ドル/円で0.09円と業界最狭水準。
取引回数の多いデイトレードでも、コストは最小限に抑えられます。
またSBI FXトレードでは、FX初心者へ向けて下記情報を配信中です。
- FX初心者向け基礎知識
- 取引の始め方
- SBI FXトレードの取引ルール
- はじめてのテクニカル分析
- 漫画で読む入門講座
- FXでよく見る単語一覧
FXの基礎知識からスキャルピングに必要な分析のやり方まで学べるので、FX初心者の方でも安心できます。
またSBI FXは、WEBでもスマートフォンでも取引することができ、自分に合った取引スタイルでFXを開始できるでしょう。
加えてツールはプロの為替ディーラーが監修しています。
2way注文で値動きを見ながら注文できる等、利便性にも長けているので是非チェックしてみてください。
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GMOクリック証券
出典:GMOクリック証券
通貨ペア数 | 20ペア |
最小取引単位 | 1,000通貨 ※南アフリカランド/円と メキシコペソ/円は10,000通貨単位 |
スプレッド | 米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:0.9銭 原則固定(例外あり) |
買いスワップ | トルコリラ/円:28円 メキシコペソ/円:360円 南アランド/円:260円 |
売りスワップ | ユーロ/米ドル:82円 ポンド/米ドル:30円 ユーロ/ポンド:56円 |
※注意事項 | ※本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 ※本データは2023.5/11確認時点での最新情報を参照しております。 |
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スキャルピングが禁止されているFX会社がある中で、GMOクリック証券は問題なく取引可能なFX会社になります。
GMOクリック証券のスプレッドはメジャーな米ドル/円で、業界最狭水準の0.2銭(原則固定)と非常にリーズナブル。
加えて通貨ペアは20種類と豊富なので、スキャルピングのおすすめ条件はバッチリ満たしています。
さらにGMOクリック証券ならではのポイントが独自の高性能取引ツール。
他FX会社にはない以下機能で、スキャルピングのしやすさに拍車をかけています。
デバイス | 特徴 |
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PC |
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スマホ |
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Apple Watch |
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一瞬の判断が命運を分けるスキャルピングにおいて、使いやすさとレスポンスの早さはとても重要な要素。
GMOクリック証券は独自の「はっちゅう君FX+」により、ブラウザを使わずPCから直接取引できるので、シンプルで迅速な売買が可能です。
その他スキャルピングに重要なテクニカル指標は38種類も用意。
自身のスキャルピングを余すところなく分析できるので、未来の利益獲得チャンスを逃しません。
FXでスキャルピングを手法とするならば、まずGMOクリック証券を検討してみましょう。
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LINE FX
出典:LINE FX
通貨ペア数 | 23ペア |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
スプレッド | 米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.3銭 ポンド/円:0.5銭 原則固定(例外あり) |
買いスワップ | トルコリラ/円:14円 メキシコペソ/円:0円 南アランド/円:13円 |
売りスワップ | ユーロ/米ドル:0.61円 ポンド/米ドル:0.22円 ユーロ/ポンド:0.35円 |
※注意事項 | ※本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 ※本データは2023.2/20確認時点での最新情報を参照しております。 |
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皆さんご存知の”LINE”が提供するLINE FXも、スキャルピングにマッチしています。
手数料無料や狭い水準でのスプレッドも魅力的ですが、LINE FXならではの強みは何と言ってもLINEアプリとの連携。
慣れ親しんだLINEと連携させれば、下記情報がLINEで配信されます。
- 経済指標状況
- レートの変動
最新の情報をLINEで手軽に入手できるので、スキャルピングの取引機会を逃す心配もありません。
口座開設はLINEから最短3分で簡単にできるので、LINEから気軽にFXを始めてみましょう。
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松井証券 MATSUI FX
通貨ペア数 | 20ペア |
最小取引単位 | 1通貨 |
スプレッド | 米ドル/円:0.2~0.9銭 ユーロ/円:0.5銭 ポンド/円:1.1銭 原則固定(例外あり) |
買いスワップ | トルコリラ/円:20円 メキシコペソ/円:12円 南アランド/円:12円 |
売りスワップ | ユーロ/米ドル:69円 ポンド/米ドル:24円 ユーロ/ポンド:47円 |
※注意事項 | ※本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 ※本データは2023.2/20確認時点での最新情報を参照しております。 |
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スキャルピングにおすすめなFX会社として、松井証券MATSUI FXもおすすめします。
MATSUI FXでは1通貨から取引を行うことが可能。
最小取引単位が低いので、低リスク且つ初期費用を抑えてFXを始められます。
では例としてMATSUI FXが公式サイトで記載している、1通貨取引での必要証拠金シミュレーションを試算してみましょう。
取引単位 | 1ドルあたり(円) | 通貨単位 | レバレッジ(倍) | 必要な費用(円) |
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1通貨 | 109円(※) | 1通貨 | 25倍 | 4.36円 |
※試算の為に用意した仮の相場です。
このように1通貨からの取引であれば、約5円の証拠金があればOK。
取引に失敗しても損失は少なく済むので、初期費用や気軽さを重視する方は外せないFX会社です。
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みんなのFX
出典:みんなのFX
通貨ペア数 | 29ペア |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
スプレッド | 米ドル/円:0.2銭 ユーロ/円:0.4銭 ポンド/円:0.8銭 原則固定(例外あり) |
買いスワップ | トルコリラ/円:20円 メキシコペソ/円:0円 南アランド/円:15.1円 |
売りスワップ | ユーロ/米ドル:69円 ポンド/米ドル:26円 ユーロ/ポンド:40円 |
※注意事項 | ※本データは日々変動するため、最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。 ※本データは2023.2/20確認時点での最新情報を参照しております。 |
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最後に紹介するスキャルピングにおすすめなFX会社はみんなのFXになります。
上記のとおりスキャルピングをする上での検討事項である、スプレッドの狭さや通貨ペアの種類などは問題ありません。
またみんなのFX特徴的なのが、独自サービスである「みんなのシストレ」。
ランキングの中から優秀なトレーダーを選び取引を開始するだけで、あとは24時間自動で代わりに取引してくれます。
スキャルピングがよくわからないうちは、ベテラントレーダーの動きを見ながら学ぶのもおすすめです。
スキャルピングをしようとお考えなら、みんなのFXも選択肢に入れてみましょう。
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FXのスキャルピング手法おさらい
今回はFXのスキャルピングに関する概要から細かな点まで、FXを効果的に取引できる方法を紹介しました。
本記事の内容をおさらいしてみましょう。
- スキャルピングとは少額の利益を重ねるFXのトレード手法
- 短時間で何度も取引するので資金効率が良い
- 取引の度にスプレッドがかかるのでFX会社選びは重要
- メジャーな通貨ペアで、取引が活発な時間帯にするのが吉
- 損切りと利確の目安を守って運用すべし
- テクニカル分析で根拠に沿った運用をすべし
スキャルピングは瞬時の判断力が問われることから、「初心者には難しい」と言うトレーダーがいるのも事実。
しかし本記事で紹介したポイントを押さえれば、初心者でも問題なくスキャルピングで勝ちを重ねられます。
FXの手法が定まっていない方は、ぜひスキャルピングに挑戦してみてください。
FX好きの28歳社会人。 暇さえあれば、FXの情報をキャッチアップしています。 こちらのサイトでは、筆者がこれまでに学んだFXの知識や取引のコツを、具体例と試算シミュレーションを交えてお届けします。 |